プロポーザル案 神田のオフィスビル

神田のオフィスビルのプロポーザル案。
神田の街並みに貢献するため、大通りからの景観には特に配慮し、親しみのある湾曲屋根とテラスの外観が人々を呼び込むようなデザインを提案しました。
江戸の看板建築の銅板、万世橋のレンガ、須田町の老舗の板張りを生かし、さらに湾曲屋根は、豊かなテラス空間を作り、神田の古い街並みに調和します。
外部階段+テラス+銅板屋根が、地上レベルから屋上まで連続的に建物を取り巻きます。
最上階の屋根は「そいやね」と呼び、そり屋根形状と人が寄り添い、集う屋根下空間としています。
建物全体の外部階段とテラスが有機的につながることで、上下階の移動が活発となり、また居心地の良いスペースを、利用者がそれぞれ選択することができます。

夜間は、屋根に照らされた優しい光が、近隣の人々に届きます。一般的な避難階段は普段は使われず閉鎖的ですが、私たちの提案する外部避難階段は、開放的なテラス空間と一体的に利用することで、日常的に使われ、上りたくなるような層状空間を演出します。
日常的に外部階段を利用することで、万が一の災害時にも、避難しやすい計画とします。コンパクトな敷地の有効利用にもなります。

上層階の本社フロアは、会社のゲストとの境界をなくし、協働による革新的なイノベーションを促すオフィスデザインとします。
7階には、3面に開かれた開放的なテラスがあり、エントランスを入ると少し広めのウェルカム・バルコニーと上階にアクセスしやすい階段があります。
会議室は透明性と遮音性を兼ねたダブルガラスパネルで仕切ります。社長室は広々としながら集中できるしつらえとします。
8階は、集中とリラックスを切り替えられるワークスペースです。北側のフォーカス・ゾーンは、個人でもチームでも、集中して仕事することに適しており、メンバーの構成やニーズやニーズに応じて、変化できるように可動できる家具とします。
南側のプロジェクト・スペースとミーティング・スペースは個々のミーティングをサポートし、より深いコラボレーションやワークショップ、知識の共有を可能にするような空間となります。同じフロア内でリラックスと集中が連続しやすいようにできています。
9階は社員とゲスト、または外部の協力者やパートナーに開かれたイノベーション・ルームです。自然な出会いを大切にし、気軽にコミュニケーションできるような空間であり、屋上はパーティーやイベントでも利用可能です。
神田の歴史性を継承しつつ、オフィスやテナントを使う人たちにとって、多様なふるまいの拠り所となるような、プラットフォームを提供したいと考えました。