【NEWS】2025.8.27 update / 築100年の古民家「泊家」の再生を目指しています! 

高池事務所は、この1年能登被災地に通っています。
最初に能登を訪れたのは昨年5月。道路があちこち隆起しておりまともに走れない状況でした。今回の震災では、地震による建物の倒壊が原因で亡くなった方が多く、壊れたままの建物が並ぶ風景を目にして、無力感と悔しさが込み上げてきました。
しかし、残っている黒光りした能登瓦の屋根と、大きな古民家の連なる風景に感動しました。これほど日本の原風景が残っている地域が他にあるだろうかと。
そして、私たちが通っている間、公費解体はどんどん進み、美しい古民家が一軒一軒、失われる状況を見てきました。地域の皆さんは、先祖から受け継いだ大切な家を、断腸の思いで手放しています。
“負の遺産”を子どもや次の世代に残せない。これが、公費解体を選択する大きな理由の一つだそうです。
建築家としてできることはないのだろうかと自問自答していたある日、公費解体が決まっていた、一軒の古民家に出会いました。
穴水町甲(かぶと)地区にある築100年の「泊(とまり)家」。敷地は約500坪、部屋がどこまでも続いていくかというほど広大なお屋敷です。かつて網元であり、5,60人の漁師さんが集った場所。地域のシンボルであるこのお屋敷を、“未来への遺産”として残したいと強く感じました。

書院造りと能登の伝統的農家建築が組み合わされ、内部も精緻な装飾などが施された建築です。
現在ではもう手に入らない貴重な樹種・樹径を多用した、“木のミュージアム”でもあり、輪島塗りの食器300人分など貴重な漆器・什器が保管されている、文化の宝庫です。
広大なお屋敷の間取りは、上手〜下手までグラデーショナルに、諸室の格式が定められています。玄関も全部で5つあります。

私たちは、この古民家を宿泊施設や地域の方々が集まる場所など、何らかの形で再生できないか、その可能性を探っています。

※古民家の様式等については、全国の文化財の修繕等を手掛ける、清水徹氏(アトリエ縁)にご教授いただきました。