【WORKS】「みんなの森 ぎふメディアコスモス」情報空間スペース

©Kai Nakamura

用途:情報展示スペース(常設)
工事期間:2022年2月〜2022年3月
主体構造:鉄骨造
大きさ:コクーン1:W4300xD4500xH2614,コクーン2:W3987xD4045xH2380,
カウンター:W8846xD200〜684xH800
建設地:岐阜市

岐阜の魅了を発見・編集・発信する場として、地域の伝統を生かした空間デザインを提案した。中央には「長良川カウンター」が置かれ、情報端末を設置する。それを覆うように、ネットに包まれたドーム形状の空間「金華山コクーン」を配置し、「歴史テーブルエリア」と「街歩きエディターエリア」とした。

岐阜の豊かな川の文化を象徴する「清流長良川の鮎」。コクーンは鮎を獲る漁師の網と見立てることもでき、有機的な建築空間と呼応し、岐阜の未来を象徴する空間となる。コクーンは、まずスチールパイプφ27を半円状に曲げて1つのフレームとし、高さの異なる8つを横繋ぎ材で連結してドーム形状とした。このフレームにネットを二枚重ねて、スチールフレーム+二重ネットの構成としている。フレームは施工性等の合理性を加味すると幾何学上の球体となるが、建物2階にあるグローブの様に有機的な形態となることを目指し、やわらかさを合わせ持つフレーム形状とした。

二枚のネットは、有機的なフレームとしたことから模様の重なり方の仕様が難題であったが、施工会社の高度な技術で、美しいパターンを出すことができた。表面に、金華山をデフォルメした山の形が、シルエットとして浮かんでいる。色は、「ツブラジイの花が咲く季節に、山全体が金色に輝いて見える」ことに由来する「金華山」にちなんで、ゴールドとした。コクーンの中央に置かれた長良川カウンターは、細長いS字型の形状のラワン合板とし、木目のうねりにより川の流れを表現している。

岐阜の自然形状を取り入れた山水郷のあるまち・岐阜の魅力を発信する場所になることを願っている。