【NEWS】2021.12.24 UPDATE /児童養護施設のプロポーザルに応募しました!
東京近郊の児童養護施設建て替えの設計プロポーザル。
旧園舎は切妻の屋根が中庭に対して軒を出した平入りの建物配置であり、家と庭の間には庭を囲うようにコンクリートフレームによる中間領域がつくられ、レイヤー状に内外が連続する風景を形成していました。広場に対する既存屋根のふるまいや内外の関係性を参照しつつ、起伏のある地形や緩やかに弧を描く小径といったランドスケープに呼応し、新たな風景をつくる「のびやかな屋根」をかけます。建物配置は、屋根に呼応する散策路に沿って人を導き、光や風が抜けるようにしました。
家々の周辺を既存地形から連続するように緩やかに盛土し、地形の起伏を包み込むように屋根をかけます。内部と連続する軒下空間には子どもたちの個性や生活があふれ、各園舎の個性をつくります。
それぞれの「家」は、大きな一枚屋根の下で、幅広い年齢の子どもたちが、一体感を感じながら過ごすことができます。
家の内部は、玄関を入ると、リビングがあり、帰ってきた子どもを、職務室やキッチンにいる養育者が迎えます。キッチンが家の中心にあり、いろいろな方向を見ることができます。リビング・ダイニングのスペースには、小上がり、ソファ、小さな椅子とテーブル、ダイニングテーブルと様々なスペースができており、子どもたちが思い思いに過ごすことができます。
屋根に沿うように個室が雁行して並びます。個室前に小さな共用部をつくることでリビングに広がりが生まれます。個室前のアルコーブには、子どもたちが、自分の作ったものを置いたり、上着を収納できる小さな棚を置きます。養育者とのコミュニケーションのきっかけとしたり、子どもが自分らしさをみんなと共有できる場所となります。
敷地内の盛土・丘・園舎・園舎間の広場等、個性豊かな場所を枝のような園内歩道が繋ぎ、その周りに木の葉のように寄り添う園舎と高低差をもったランドスケープが、敷地全体に一体感を生み出します。
円弧状ののびやかな屋根が敷地全体に連続感と一体感をつくり、集落のようなまとまりのある風景をつくります。
それぞれの家が周辺環境に対して異なる開き方をし、子どもたち一人一人の個性が自然とにじみ出るような、豊かな養育の場を提案しました。
*高橋茂弥建築設計事務所との共同設計